TOP >  Movie >  第2回「ゲイリー・オールドマン by maco-w」
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 コラム第二回を書かせていただけること、光栄に思います。
浅学のため、有名な俳優さんを取り上げるとコアなファンの方から御叱りを受けそうで、
誰について書こうか正直だいぶ迷いました。
で、とりあえず今回はイギリスの生んだ名優、
ゲイリー・オールドマンについてお話したいと思います。

 第一回で少し触れたゲイリー君、実は私のお気に入り男優のベスト5に入っております。
彼は一般的に“キレちゃってる悪キャラ”としてその地位を不動の物にしている感がありますが、
先日あることに気付きました。
それはゲイリーの高死亡率です。
つまり、彼の演じる人物は作品中で死亡する確率がとても高いのです。
前回紹介した 『レオン ('94)』 と 『フィフスエレメント ('97)』 では、
“キレ悪”であるのと同時にどちらも最後は爆死。
でも、これらはいかにも悪の死に方って感じで良いのですが、
中には哀れとしか言えないものも多くあります。
ステート・オブ・グレース ('90)』 では兄貴に撃ち殺されるアル中ギャングだし、
まだ記憶に新しいレクター博士シリーズ 『ハンニバル ('01)』 なんか豚にかじられて死亡。
少年のような瑞々しいゲイリーがゲイ作家を演じた 『プリック・アップ ('87)』 では嫉妬した彼氏に撲殺されたり、
ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ ('90)』 では、
ティム・ロスとなにやら喚いてるうちに海賊に処刑されてしまいました。
どんな目に合わされてもしぶとく生き残るマッチョ系アクションスターに比べ、
洗練されたヴァイブが溢れる二枚目でありながら結構キレめにしてセクシーな悪者、
そしてコロッとThe End。なんとも素敵なキャラクターです。

 ではなぜ彼は“キレた悪役”を演じることが多いのでしょうか?
これは、ゲイリーが舞台出身の役者さんであるからではないか、と勝手に考えています。
ロンドンで生まれた彼は、演劇学校を卒業し舞台俳優として活動していました。
ご存知のように、舞台ではややオーバーな演技が必要になります。
そんなバックグラウンドが彼の演技をいちいち濃厚にさせ、
(フランシス・F・コッポラ監督 『ドラキュラ ('92)』 での白目をむく絶命シーンでは、
  思わず「そうかぁ・・?」と唸ってしまいました)
ちょっとキレてる位がピッタリ、という役所が定着したのではないでしょうか。
セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスを演じた映画デビュー作の 『シド&ナンシー ('86)』 でも、
悪ではないもののすでにキレていて江頭状態でした。
一応普通の人やってるものもありますが稀で、
スカーレットレター ('95)』 (正統派二枚目)や 『バスキア ('96)』 (優しい父親)なんかがそうですね。

 いろいろゲイリー作品を紹介(ネタバレ)してきましたが、
その他の作品でもキレてたり悪いことしてますのでそちらもぜひ。
そして彼に興味を持った方、
ゲイリーのルーツについてはゲイリー監督作品 『ニル・バイ・マウス ('97)』 をご覧下さい。
そんなん知ってるわ、という方ごめんなさい。

 という感じで“イギリスの生んだ名優Gary Oldman”のお話でした。

 浴びるように映画を観よう!

 そしてHepcatへ行こう! Au revoir!

to be continued...
▼ 今回紹介した作品です。是非ご覧になって下さい。  ▼
 

LEON (DVD)  FIFTH ELEMENT (DVD)  ハンニバル (DVD)  State of Grace (DVD)  プリックアップ (DVD) 

ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ (DVD) ドラキュラ (DVD)  シド&ナンシー (DVD)  スカーレットレター (DVD)  バスキア (DVD) 

ニル・バイ・マウス (DVD) 

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